THERMOCOUPLE
「熱電対」とは
熱起電力を測定する一対の金属線
2種の異なった金属線が閉回路をつくり、2つの接点の温度が異なると、その温度差に比例した熱起電力が生じて、閉回路に電流が流れます。
2つの接点間にミリボルト計を接続すれば、熱起電力を測定することができますから、あらかじめ温度と熱起電力との関係を調べておけば熱起電力によって温度を知ることができます。
この測定方法を利用したものが熱電温度計で、これに用いる一対の金属線を《熱電対》といいます。
《熱電対》は、常温〜1600℃くらいの比較的高温の測定に用いられるもので、AOIでは、標準品としてJIS規格のR・K・E・J・Tを製作しています。
What's a "Thermocouple"?
This is a pair of metal wires used for measurement of thermoelectromotive
force.
Two metal conductors of different materials form a closed circuit.
When two contacts wires have different temperatures, thermoelectromotive
force is generated in proportion to the temperature difference, and
current runs in the closed circuit.
The thermoelectromotive force can be measured, if a milli-voltmeter
is connected to the area between two contacts. Thus, if the relation
between the temperature and the thermoelectromotive force is known
in advance, it is possible to know the temperature according to the
thermoelectromotive force.
A thermoelectric thermometer makes use of the above measuring method,
and a pair of metal wires used therefor is called the “thermocouple”
.
The“thermocouple” is used for measurement of comparatively high temperatures
of ordinary temperature to 1600℃. AOI has the lineup of Types R, K,
E, J and T conforming to JIS.
熱起電力曲線
Thermoelectromotive force curve
熱電対の規格
Specifications of thermocouples
種類 |
測定温度 |
クラス(旧階級) |
誤差の許容差 |
線径(mm) |
使用限度(℃) |
新記号 |
旧記号 |
常用 |
過熱 |
B |
― |
200〜1700℃ |
クラス3(旧0.5級) |
±4℃ または測定温度の±0.5% |
0.5 |
1500 |
1700 |
S |
― |
0〜1600℃ |
クラス2(旧0.25級) |
±1.5℃ 〃 ±0.25% |
0.5 |
1400 |
1600 |
R |
(PR) |
K |
CA |
0〜1000℃ 0〜1200℃ −200〜0℃ |
クラス1(旧0.4級) クラス2(旧0.75級) クラス3(旧1.5 級) |
±1.5℃ 〃 ±0.4% ±2.5℃ 〃 ±0.75% ±2.5℃ 〃 ±1.5% |
0.65 1.00 1.60 2.30 3.20 |
650 750 850 900 1000 |
850 950 1050 1100 1200 |
E |
CRC |
0〜800℃ 0〜800℃ −200〜0℃ |
クラス1(旧0.4級)
クラス2(旧0.75級)
クラス3(旧1.5 級) |
±1.5℃ 〃 ±0.4% ±2.5℃ 〃 ±0.75% ±2.5℃ 〃 ±1.5% |
0.65 1.00 1.60 2.30 3.20 |
450 500 550 600 700 |
500 550 650 750 800 |
J |
IC |
0〜750℃ |
クラス1(旧0.4級)
クラス2(旧0.75級) |
±1.5℃ 〃 ±0.4% ±2.5℃ 〃 ±0.75% |
0.65 1.00 1.60 2.30 3.20 |
400 450 500 550 600 |
500 550 650 750 750 |
T |
CC |
0〜350℃ 0〜350℃ −200〜0℃ |
クラス1(旧0.4級)
クラス2(旧0.75級)
クラス3(旧1.5 級) |
±0.5℃ 〃 ±0.4% ±1.0℃ 〃 ±0.75% ±1.0℃ 〃 ±1.5% |
0.32 0.65 1.00 1.60 |
200 200 250 300 |
250 250 300 350 |
(注) 1)誤差の許容差とは、熱起電力を規準熱起電力表によって換算した温度から測温接点の温度を引いた値の許される限度をいう。また、許容差は℃または%のどちらか大きな値とする。
2)常用限度とは、空気中において連続使用できる温度をいう。
3)過熱使用限度とは、必要上やむを得ない場合に短時間使用できる温度をいう。 |
「被覆熱電対線」
Coverd Thermocouple Wires
《被覆熱電対線》とは、《熱電対》の素線にビニールやガラスウール被覆をほどこしたもので、保護管などに入れずに、そのまま使用するものです。
実験室や研究室などでは、保護管や端子箱を必要としない場合も多くありますが、素線だけでは絶縁などの心配もあります。こうした場合に、この《被覆熱電対》の使用が最適です。
種別 |
線径 |
外側被覆 |
仕上がり外径(mm) |
常用温度(℃) |
最高温度(℃) |
K |
0.32φ |
青色・ビニール |
2.2×3.4 |
90 |
105 |
0.65φ |
2.5×4.0 |
0.32φ |
青色・ガラス編組 |
2.0×3.0 |
200 |
250 |
0.65φ |
2.3×3.3 |
0.32φ |
青色・テフロン |
1.0×1.6 |
200 |
260 |
0.65φ |
1.65×2.8 |
E |
0.32φ |
紫色・ビニール |
2.2×3.4 |
90 |
105 |
0.65φ |
2.5×4.0 |
0.32φ |
紫色・ガラス編組 |
2.0×3.0 |
200 |
250 |
0.65φ |
2.3×3.3 |
0.32φ |
紫色・テフロン |
1.0×1.6 |
200 |
260 |
0.65φ |
1.65×2.8 |
J |
0.32φ |
黄色・ビニール |
2.2×3.4 |
90 |
105 |
0.65φ |
2.5×4.0 |
0.32φ |
黄色・ガラス編組 |
2.0×3.0 |
200 |
250 |
0.65φ |
2.3×3.3 |
0.32φ |
黄色・テフロン |
1.0×1.6 |
200 |
260 |
0.65φ |
1.65×2.8 |
T |
0.32φ |
茶色・ビニール |
2.2×3.4 |
90 |
105 |
0.65φ |
2.5×4.0 |
0.32φ |
茶色・ガラス編組 |
2.0×3.0 |
200 |
250 |
0.65φ |
2.3×3.3 |
0.32φ |
茶色・テフロン |
1.0×1.6 |
200 |
260 |
0.65φ |
1.65×2.8 |
「補償導線」
Thermocouple Extension Wires
《熱電対》で高温を測定する場合、熱電対の端子箱の付近が150℃にもなることが多い、これが温度誤差の原因となります。
《熱電対》を被測定箇所から計器端子まで延長して使用すれば、この問題は解決するのですが、経済性と抵抗値過大の点を考慮して、150℃付近まで、《熱電対》と同じ特性を有する合金を利用します。これを《補償導線》といいます。
AOIでは、一般用と耐熱用の2種類の《補償導線》を用意しています。一般用は−20℃〜90℃、耐熱用0℃〜150℃の使用に適しています。
記号 |
種別 |
被覆の材質 |
被覆の色 |
芯線 |
+ |
− |
Rx-G |
一般用 |
ビニール |
黒 |
銅 |
銅ニッケル合金 |
Rx-H |
耐熱用 |
ガラス編組 |
Kx-G |
一般用 |
ビニール |
青 |
銅 |
銅ニッケル合金 |
Kx-H |
耐熱用 |
ガラス編組 |
Ex-G |
一般用 |
ビニール |
紫 |
クロメル |
銅ニッケル合金 |
Ex-H |
耐熱用 |
ガラス編組 |
Jx-G |
一般用 |
ビニール |
黄 |
鉄 |
銅ニッケル合金 |
Jx-H |
耐熱用 |
ガラス編組 |
Tx-G |
一般用 |
ビニール |
茶 |
銅 |
銅ニッケル合金 |
Tx-H |
耐熱用 |
ガラス編組 |